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世界の市場で大幅な売り 原油は戦争前の水準に戻る 金は4,000ドルを下抜け

2026年6月26日 08:33
世界の市場で大幅な売り 原油は戦争前の水準に戻る金は4000ドルを下抜け

主なポイント

  • 米・イラン和平合意の進展を受けて供給不安が和らぎ、原油価格は戦争前の水準まで下落しました。世界の供給見通しも改善しています。
  • 金は、先週のFRB会合を受けた米ドル高と米国債利回りの上昇を背景に、2025年11月以来初めて4,000ドルを下回りました。
  • 米国のPCEインフレ指標は物価上昇の継続を示したものの、おおむね市場予想の範囲内となり、FRBの慎重な金利姿勢を改めて裏づける結果となりました。
  • 世界の株式市場は週末にかけて軟調に推移し、米国・アジア株ともに「高金利が長引く」との見方が重しとなりました。
  • マイクロンテクノロジーは市場予想を上回る決算を発表し急伸しました。AI向けメモリ需要の強さが、AI投資テーマの底堅さを改めて示しています。

地政学リスクの後退で原油は反落

原油価格は週間を通して下落基調が続き、直近の中東情勢の緊張で上昇していた分をほぼすべて失う展開となりました。米国とイランの協議が進展したことで、供給混乱への懸念が後退したことに加え、イラン産原油が徐々に国際市場へ戻るとの見方も、供給面の安心感につながりました。

WTI原油・ブレント原油ともに、紛争前の水準まで下落しました。これにより、世界の市場で意識されていたインフレ懸念もいくぶん和らいでいます。ブレント原油は週間で9%下落し74ドルまで低下、WTI原油も約10%下落して70ドル前後で週を終えました。市場では、地政学リスクの後退と需給の正常化を織り込む動きが強まっています。

金は4,000ドルを下回る

金にとっては厳しい一週間となりました。価格は2025年11月以来初めて4,000ドルを下回り、心理的節目を割り込む展開となりました。背景にあるのは、先週のFRB会合です。政策当局者が「金利をより長く高い水準に維持する可能性」を示唆したことで、米国債利回りと米ドルが上昇し、利息を生まない資産である金の魅力が相対的に低下しました。過去数か月にわたり過去最高値圏で推移していたこともあり、利益確定売りが続いた形です。

銀も軟調で、週間で12%下落し1オンス57ドルとなりました。現時点では、地政学要因よりもFRBの金融政策見通しが金価格を左右する主因になっています。

インフレ指標はおおむね予想通り

木曜日に発表されたPCE価格指数は、FRBが重視するインフレ指標として注目されました。結果は、インフレの継続を示す内容でしたが、市場予想から大きく外れるものではなく、投資家にとってサプライズにはなりませんでした。

この結果によって金融政策見通しが大きく変わったわけではありませんが、インフレが依然として根強いことを改めて示し、FRBが慎重な姿勢を維持する根拠となりました。物価の粘着性が続く中、近い将来の利下げ期待は引き続き抑えられています。

株式市場は週末にかけて軟調

株式市場は世界的に上値の重い展開となりました。投資家がFRBのタカ派姿勢を消化し続ける中、米主要株価指数はそろって下落して週を終えました。特にテクノロジー株は、米国債利回りの上昇を受けて売りに押されました。アジア市場も、世界景気の見通しと金融環境の引き締まりを改めて織り込む形で軟調でした。

そうした中で、今週大きく上昇した銘柄のひとつがマイクロンテクノロジーです。同社は市場予想を大きく上回る決算を発表し、その背景にはAI向けメモリ需要の強さがありました。強気な見通しを示したことで株価は大きく上昇し、市場全体が軟調な中でも、AI関連投資が依然として有力なテーマであることを改めて印象づけました。市場全体が弱含む中でも、AI需要は半導体企業の収益を支える要因となっています。


今週の主要経済テーマ

市場の関心は今後、来週の米雇用統計につながる一連の雇用関連指標へ移っていきます。雇用の強さが確認されれば、FRBが高金利を長く維持するとの見方が一段と強まる可能性があります。

また、市場では引き続き和平合意をめぐる進展にも注目が集まっています。制裁緩和、イラン産原油の輸出再開、主要エネルギールートの正常化などが確認されれば、原油価格や市場全体のセンチメントに引き続き影響を与えることになりそうです。

今週の市場では、注目材料がはっきりと切り替わりました。米・イラン和平交渉の進展によって地政学リスクは大きく後退した一方で、投資家の関心は、FRBが高金利政策をどこまで維持するのかへと移っています。その結果、原油価格は下落し、金は引き続き軟調、世界の株式市場には幅広く売りが広がりました。来週は、米国の労働市場に焦点が集まります。雇用指標の内容次第では、FRBのタカ派姿勢がさらに強く意識される可能性があります。


来週の主な経済カレンダーイベント

日付指標国・地域前回値時間(日本時間)
6月29日(月)小売売上高(前年比)日本2.80%8:50
6月30日(火)GDP(前月比)カナダ-0.10%21:30
6月30日(火)JOLTS求人件数米国762万件23:00
7月1日(水)ADP雇用者数変化米国12.2万人21:15
7月1日(水)ISM製造業景況指数米国5423:00
7月2日(木)消費者物価指数(前月比)スイス0.20%15:30
7月2日(木)非農業部門雇用者数変化米国17.2万人21:30
7月2日(木)失業率米国4.30%21:30
7月3日(金)銀行休業日米国NA終日

テクニカル分析と見通し

金(ゴールド)テクニカル分析

金は短期的に明確な弱気トレンドが続いています。価格は3本の移動平均線をすべて下回って推移しており、売り手が相場の主導権を握っている状況です。20日移動平均線も下向きを維持しており、下落基調の強さがうかがえます。

価格は引き続き高値・安値を切り下げる展開となっており、3,960ドル近辺でいったん下げ止まる動きは見られるものの、そこからの反発には力強さがありません。戻り局面ではすぐに売りが入りやすく、10日線・20日線を回復できていないことからも、下落トレンドは崩れていません。

全体として金は引き続き強い下押し圧力の下にあります。価格が4,150〜4,295ドルを下回る限り、上昇はあくまで調整局面として見られやすい状況です。3,959ドルを明確に下抜けた場合には、弱気シナリオがさらに強まり、3,900ドル方向まで下値余地が広がる可能性があります。

金(ゴールド) 日足チャート

20260626 金は2025年11月以来初めて主要節目の4,000ドルを下回る

出典:STARTRADERアプリ|金は2025年11月以来初めて主要節目の4,000ドルを下回る

レジスタンス$4,102 – $4,115$4,267 – $4,280$4,314 – $4,325
サポート$3,950 – $3,966$3,889 – $3,900$3,794 – $3,800

ブレント原油 テクニカル分析

ブレント原油は、引き続きはっきりとした下降トレンドの中で推移しています。価格は5日線・10日線・20日線をすべて下回っており、弱気モメンタムが依然として優勢です。長期の移動平均線も下向きを維持しており、相場全体の弱さを示しています。高値・安値ともに切り下げる動きが続いており、持続的な買い戻しの兆しはまだ限定的です。

73〜74ドル付近では売り圧力がやや落ち着いているものの、買い手は目立った戻りをつくるまでには至っていません。

価格が75〜77ドルを下回っている限り、見通しは引き続き弱気です。73.70ドルを下抜けた場合、下落トレンドの継続が意識され、72.00ドルのサポートゾーンが次の焦点となります。反対に、20日移動平均線を継続的に上回る動きが出てはじめて、弱気基調の勢いが和らぎ始めたと判断できそうです。

ブレント原油 日足チャート

20260626 原油価格は週間で急落し、戦争前の水準まで下落

出典:STARTRADERアプリ|原油価格は週間で急落し、戦争前の水準まで下落

レジスタンス$75.20 $75.55$77.00 – $77.35$79.85 – $80.20
サポート$72.00 – $72.25$70.15 – $70.25$69.00 – $69.20

S&P500 テクニカル分析

S&P500は、5日線10日線を下回り、現在は20日移動平均線を試す動きとなっています。これにより、これまでの強気モメンタムにはやや陰りが見え始めています。

もっとも、今回の調整局面があっても、中期的にはなお底堅い構造が保たれています。指数は4月から5月にかけて形成した主要なブレイクアウト水準を大きく上回って推移しており、基調そのものが崩れたわけではありません。

一方で、直近高値を更新できていない点は気がかりです。7,600〜7,630のレジスタンス帯では売りがしっかり入っており、ここ数日の値動きでは日足ベースで高値を切り下げる流れが見られます。現時点では、勢いの鈍化と持ち合い局面への移行が示唆されているものの、大きなトレンド転換が確認されたわけではありません。

より大きな上昇トレンドは維持されていますが、短期的には調整色が強まっています。7,300を上回って推移している限り、中長期の強気構造は保たれます。一方、この水準を下抜けた場合には、7,2007,000方向へのより深い調整につながる可能性があります。

S&P 500 日足チャート

20260626 主要株価指数は過去最高値更新後に大きく売られる展開

出典:STARTRADERアプリ|主要株価指数は過去最高値更新後に大きく売られる展開

レジスタンス7,398 – 7,4207,531 – 7,5407,600 – 7,615
サポート7,290 – 7,3007,190 – 7,2007,047 – 7,060

EUR/USD テクニカル分析

EUR/USDは、引き続き明確な弱気トレンドの中にあります。価格は5日線・10日線・20日線をすべて下回って推移しており、売り手が相場を支配している状態が続いています。

移動平均線の並びも弱気で、5日線が10日線を下回り、さらに両者とも下向きの20日線の下に位置しています。下落基調の強さがそのまま形になって表れています。

値動きも引き続き高値・安値を切り下げる流れとなっており、これが現在のトレンドを特徴づけています。直近の日足では安値圏から小幅に反発していますが、勢いは乏しく、本格的な反転というよりは短期的なテクニカルリバウンドとみられます。出来高も落ち着いており、買いの強さはまだ限定的です。

価格が1.1450〜1.1515を下回っている限り、見通しは引き続き弱気です。1.1324を下抜けた場合には、1.1300、さらに1.1250方向まで下げ余地が広がる可能性があります。反対に、20日移動平均線を継続的に上回る動きが出てはじめて、現在の下落トレンドが中立化し始めたと考えられます。

EURUSD 日足チャート

20260626 利上げ観測を背景としたドル高で主要通貨が下押しされる

出典:STARTRADERアプリ|利上げ観測を背景としたドル高で主要通貨が下押しされる

レジスタンス1.1410 – 1.14231.1463 – 1.14801.1500 – 1.1513
サポート1.1300 – 1.13121.1208 – 1.12621.1133 – 1.1150

リスク警告: 本資料は情報提供のみを目的としており、推奨や投資助言を行うものではありません。証拠金を用いた金融商品の取引には大きなリスクが伴い、すべての投資家に適しているとは限りません。

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