
要点:
- 米主要株価指数は週前半に調整局面入りとなり、原油価格の上昇とインフレ懸念が重しとなりました。
- 原油価格は週半ばにドナルド・トランプ氏の再度の強硬姿勢を受けて 110ドル超まで上昇した後、落ち着きを取り戻しました。
- 金と銀は全体として上昇しましたが、マクロ環境の強弱材料が交錯する中で日中の値動きは大きく変動しました。
- 米ドルは大きく上昇し、ドル指数(DXY)は重要な 100の節目を上抜けました。安全資産需要は主に米ドルへ向かいました。
- 市場はトランプ氏のイランに関する発言に大きく反応し、緊張緩和期待と紛争再燃懸念の間で相場が揺れ動きました。
- 世界的なボラティリティは高止まりし、市場はファンダメンタルズよりも地政学的要因に左右される展開が続きました。
米国株式市場と主要指数は調整局面入り
米国株式市場は今週、大きなボラティリティに見舞われました。投資家が原油価格の上昇とインフレリスクを意識する中、主要株価指数は直近高値から 10%超下落し、調整局面入りとなりました。
週初は、原油価格の急騰と地政学的緊張の高まりを受けて、株式市場は大きく下落しました。エネルギー価格の上昇により、戦争に起因するインフレが進行し、利下げ開始が遅れる可能性や企業収益への悪影響が懸念されました。
週半ばには、一時的に緊張緩和への期待が高まったことで市場は下げ止まりを試みましたが、その後トランプ氏の再度の強硬発言を受けて相場は再び悪化し、売りが広がりました。
週後半には一部で持ち直しの動きも見られたものの、全体の相場構造はなお不安定であり、投資家心理の改善には至っていません。
原油市場の高いボラティリティが継続
今週も世界市場を動かした中心は原油市場でした。価格は週初に 100ドル付近で推移していましたが、供給懸念の継続を背景に底堅さを維持しました。
週半ばには、トランプ氏が軍事行動継続を示唆したことで、WTI原油は 110ドル超、ブレント原油は 106〜109ドル付近まで上昇しました。
一方で、原油価格は日中ベースで急反転する場面も目立ちました。市場が一時的に緊張緩和シナリオや外交進展を織り込んだ局面では、原油価格は急落しました。特に、トランプ氏が今後数週間で戦争終結の可能性を示唆した際には、この動きが顕著となりました。
週末時点でも原油価格は高水準を維持しましたが、引き続きボラティリティは高く、地政学的リスク、紛争の長期化懸念、政治的ヘッドラインへの敏感な反応が続いています。
金は上昇も、引き続き高い変動性
金と銀は今週、全体としては上昇基調を示しましたが、値動きは非常に不安定でした。
金はおおむね 4,500〜4,650ドルのレンジで推移し、安全資産需要を背景に買われる場面があった一方、米ドル高が上値を抑え、明確な上放れには至りませんでした。
銀も同様の動きとなりましたが、工業需要の影響も受けるため、より大きなボラティリティを示しました。
貴金属は引き続き、米ドル高が重しとなっており、力強いトレンド形成には苦戦している状況です。
来週の主要経済イベント
| 日付 | 指標名 | 国 | 前回 | 時間(日本時間) |
| 4月6日(月) | ISM非製造業景況指数 | 米国 | 56.1 | 23:00 |
| 4月7日(火) | 耐久財受注 前月比 | 米国 | 0.00% | 21:30 |
| 4月7日(火) | Ivey購買部協会指数 | カナダ | 56.6 | 23:00 |
| 4月8日(水) | 政策金利発表 | ニュージーランド | 2.25% | 11:00 |
| 4月9日(木) | FOMC議事要旨 | 米国 | 3:00 | |
| 4月9日(木) | コアPCE価格指数 前月比 | 米国 | 0.40% | 21:30 |
| 4月9日(木) | 実質GDP確報値 前期比 | 米国 | 0.70% | 21:30 |
| 4月10日(金) | 失業率 | カナダ | 6.70% | 21:30 |
| 4月10日(金) | 消費者物価指数(CPI)前年比 | 米国 | 2.40% | 21:30 |
テクニカル分析と見通し
ブレント原油 テクニカル分析
ブレント原油は週末時点で 1バレル=112ドル付近で取引を終えました。日足チャートでは、急速なブレイクアウトの後も強い上昇トレンドを維持しています。
価格は主要な移動平均線の上で推移しており、これらも上向きに整列していることから、強い上昇モメンタムの継続が確認されています。現在のもみ合い局面も、現時点では健全な調整とみられます。
価格が 108〜106ドルのサポートゾーンを上回っている限り、強気見通しは維持されると考えられます。一方、106ドルを下抜けた場合は、トレンド再開前に 100〜102ドル付近までより深い調整が進む可能性があります。
ブレント原油 日足チャート

| レジスタンスライン | $109.82 $110.00 | $112.55 – $112.80 | $114.75 – $115.00 |
| サポートライン | $106.20 – $106.45 | $104.80 – $105.00 | $102.10 $102.35 |
金(ゴールド)テクニカル分析
金は週を通じて堅調に推移し、週末時点で 4,700ドル付近で取引を終えました。ただし、全体としては依然として調整局面にあります。
20日移動平均線は50日移動平均線を下抜けており、価格も両移動平均線の下で推移していることから、短期・中期のモメンタムは依然として弱気方向にあります。
直近では 4,100ドル付近から反発しましたが、この戻りはあくまで調整の範囲内とみられ、価格は現在 4,800ドル付近のレジスタンスで上値の重さを示しています。売り手がこの水準を維持する限り、市場は再び 4,400ドル付近、さらには 4,100ドルの安値圏を試す可能性があります。
一方、4,850〜4,900ドルを持続的に上抜ける場合は、再び強気トレンドへ転じる可能性が示唆されます。
金(ゴールド) 日足チャート

| レジスタンスライン | $4,920 – $4,940 | $5,160 – $5,175 | $5,300 – $5,326 |
| サポートライン | $4,500 – $4,520 | $4,380 – $4,400 | $4,120 $4,155 |
ダウ・ジョーンズ テクニカル分析
ダウ平均は現在 46,500付近で推移しており、全体としては依然として調整局面にあります。日足チャートでは、高値・安値ともに切り下げる明確な下落トレンドが続いており、移動平均線も弱気方向に並んでいます。価格は 50日移動平均線および100日移動平均線を下回って推移しています。
直近では 44,845付近から反発が見られましたが、この動きは一時的な自律反発とみられ、価格は依然として 47,000〜47,500のレジスタンスゾーンを上抜けられていません。
この水準を上抜けられないことが、引き続き弱気バイアスを裏付けています。下方向への圧力が再び強まる場合、次の重要なサポートは 44,800付近となり、この水準を下抜けると一段安が進む可能性があります。
弱気構造を否定し、再び上昇基調へ転じるには、47,500超えを明確に確認する必要があります。
ダウ・ジョーンズ 日足チャート

| レジスタンスライン | 47,520 – 47,554 | 48,781 – 48,833 | 49,360 – 49,381 |
| サポートライン | 44,845 – 44,866 | 43,967 – 4,400 | 41,622 – 41,684 |
米ドル指数(DXY)テクニカル分析
米ドル指数(DXY)は力強い値動きを示しており、安値を切り上げながら 100.00の心理的節目を上抜けています。移動平均線も徐々に強気方向へ整列しつつあり、価格は 20日移動平均線および50日移動平均線の上で推移しています。一方、100日移動平均線は横ばいに近づいており、中期的な地合いの改善が示唆されています。
ただし、直近では 100.50付近で上値を抑えられており、高値圏では依然として売り圧力も見られます。このため、現時点では明確な上放れには至っていません。
価格が 99.00〜99.30のサポートゾーンを上回っている限り、全体の強気構造は維持されると考えられます。100.50超えを再び試す展開となれば、次の上値目安として 101.00が意識されます。
一方、このサポートを維持できない場合は、相場は再び持ち合い、あるいはより深い調整に移行する可能性があります。
米ドル指数(DXY) 日足チャート

| レジスタンスライン | 100.50 – 100.58 | 101.86 – 102.00 | 102.85 – 103.00 |
| サポートライン | 99.20 – 99.34 | 98.00 – 98.16 | 96.35 – 96.61 |
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本資料は情報提供のみを目的としており、投資助言や投資推奨を目的としたものではありません。証拠金取引を伴う金融商品の取引には高いリスクがあり、すべての投資家に適しているとは限りません。
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