
要点:
- イラン戦争の激化を受けて原油価格は110ドル超の高水準を維持し、カタールや湾岸地域のエネルギーインフラへの直接攻撃も確認されました。
- 金と銀は、地政学的緊張が続く中でも、米ドル高とインフレ懸念の高まりを背景に大きく下落しました。
- 米国株および世界の株式市場は、エネルギー価格の上昇によるインフレ懸念の高まりを受けて下落しました。
- 主要中央銀行は政策金利を据え置き、戦争とインフレリスクによる不確実性を踏まえ、慎重な姿勢を示しました。
- 米ドルは引き続き堅調に推移し、貴金属ではなく主要な安全資産として選好されました。
原油市場:戦争の進展を背景に高値圏で推移
原油市場は今週も世界の金融市場を動かす中心的な要因となりました。価格は 1バレル=110〜114ドルの高水準を維持しており、中東情勢のさらなる悪化が相場を支えています。
主な材料となったのは、イランがカタールのLNG施設を含む主要エネルギーインフラを標的としたことです。カタールは世界のエネルギー供給において極めて重要な拠点の一つであり、この攻撃を受けて供給混乱への懸念が一段と強まりました。特に、世界の原油輸送の約20%がホルムズ海峡を通過していることから、市場は神経質な反応を示しています。
一方で、市場には相反する材料も存在しました。地政学リスクが価格を押し上げる一方で、戦略備蓄の放出に関する議論や軍事的な安定化への期待が、原油価格の一段の急騰を抑える要因となりました。それでも、全体としては強気トレンドが続いており、原油価格は世界市場における主要なインフレ要因となっています。
金・銀市場:ドル高圧力の中で下落
金と銀は、戦争という本来であれば強気材料となる状況にもかかわらず、今週は下落しました。これは安全資産の選好先に変化が生じていることを示しています。金は 4,500ドル付近まで下落し、銀も 65ドル近辺まで下落しており、いずれも数週間ぶりの安値圏となりました。
この下落の主因は米ドル高です。安全資産需要の多くが米ドルに向かったことで、貴金属への資金流入は限定的となりました。原油価格上昇によってインフレ期待が高まり、市場では利下げ回数が減少するとの見方が強まりました。その結果、実質金利が上昇し、利息を生まない金の投資妙味が低下しました。
これは市場構造の変化を示しています。従来のように貴金属でリスクヘッジを行うのではなく、不確実性の高い局面では現金、すなわち米ドルへのシフトが強まっています。ドル高が続き、利下げ開始が先送りされる限り、地政学的な支援材料があっても貴金属は上値の重い展開が続く可能性があります。
米国株と世界株式市場:インフレ懸念を受けて下落
株式市場は今週、全面安の展開となりました。特に米国株は、原油価格の上昇とインフレ懸念の高まりを受けて売り圧力が強まりました。
エネルギー価格の上昇はインフレ期待を直接押し上げており、中央銀行がこれまで以上に引き締め的な金融政策を長く維持せざるを得ないとの懸念が高まっています。これは、特に金利に敏感なグロース株のバリュエーションにとって逆風となります。
世界市場も同様の反応を示しました。欧州株は下落し、アジア市場でもリスク選好は後退しました。地政学リスクとインフレショックが重なることで、典型的なリスクオフ環境となり、投資家は株式から安全資産へ資金を移しています。
為替市場では、米ドル高が主導する展開となりました。背景には、安全資産需要と金利見通しの変化があります。
主要通貨に対して米ドルの強さが継続
今週は、FRB、ECB、イングランド銀行をはじめとする主要中央銀行が政策金利を据え置きました。これは、戦争とそれに伴うインフレ影響による不確実性の高まりを反映したものです。
- FRBは、利下げ見通しを後退させる形で、より慎重な見通しを示しました。
- ECBは政策金利を 2.15% に据え置き、引き続きデータ重視の姿勢を強調しました。
- イングランド銀行も政策金利を据え置きましたが、エネルギー価格上昇に伴うインフレリスクに警戒感を示しました。
この結果、ドル指数(DXY)は 100付近の高水準を維持し、EUR/USDは引き続き上値の重い展開となりました。また、日本円は安全資産とみなされる一方で、対ドルでは下落しました。
来週の主要経済イベント
| 日付 | 指標名 | 国 | 前回 | 時間(日本時間) |
| 3月24日(火) | 消費者信頼感指数 | ユーロ圏 | -12 | 0:00 |
| 3月24日(火) | 製造業PMI速報値 | 英国 | 51.7 | 18:30 |
| 3月24日(火) | サービス業PMI速報値 | 英国 | 53.9 | 18:30 |
| 3月24日(火) | 製造業PMI速報値 | 米国 | 51.6 | 22:45 |
| 3月24日(火) | サービス業PMI速報値 | 米国 | 51.7 | 22:45 |
| 3月25日(水) | 消費者物価指数(CPI)前年比 | 豪州 | 3.80% | 9:30 |
| 3月25日(水) | 消費者物価指数(CPI)前年比 | 英国 | 3.00% | 16:00 |
| 3月26日(木) | 新規失業保険申請件数 | 米国 | 21:30 | |
| 3月27日(金) | 小売売上高 前月比 | 英国 | 1.80% | 16:00 |
テクニカル分析と見通し
ブレント原油 テクニカル分析
ブレント原油は現在 106.80ドル付近で推移しており、日足チャートでは強い上昇トレンドを維持しています。ただし、直近の値動きからは、急騰後の短期的な調整入りの可能性も示唆されています。
全体的な相場構造は依然として強気であり、特に 100ドルを上抜けた後は高値・安値ともに切り上げる展開が続いています。
移動平均線を見ると、依然として強気の配置が維持されています。MA5はMA10の上、さらに両者はMA20の上に位置し、価格も MA30の上で推移しています。ただし、短期移動平均線の横ばい化は、上昇モメンタムの鈍化を示しています。
テクニカル面では、108〜110ドルが新たなレジスタンスゾーンとして機能しています。一方、100〜102ドルが重要なサポートゾーンです。このサポートを維持する限り、上昇トレンドは維持されるとみられます。ただし、100ドルを下抜ける場合は、95ドル付近までより深い調整に入る可能性があります。
ブレント原油 日足チャート

| レジスタンスライン | $109.91 – $110.20 | $113.70 – $114.00 | $116.57 – $117.00 |
| サポートライン | $97.55 – $97.70 | $93.00 – $93.25 | $91.00 – $91.25 |
金(ゴールド)テクニカル分析
金は現在 4,720ドル付近で推移しており、チャート上では短期的に強気から弱気への大きなトレンド転換が明確になっています。
価格は現在、高値・安値ともに切り下げる展開となっており、中期的な下落トレンドへの移行が確認されています。直近では 4,530〜4,600ドルのサポートゾーンに到達した後に反発を試みていますが、戻りは弱く、買い手がまだ主導権を握れていないことを示しています。
移動平均線もこの弱気見通しを裏付けています。MA5はMA10の下、さらに両者はMA20の下に位置しており、MA30は価格の上で下向きに推移しています。この配置は売り圧力が継続していることを示しており、反発局面はトレンド転換ではなく調整にとどまる可能性が高いとみられます。
主要な価格帯としては、4,800〜4,900ドルが強いレジスタンスゾーンとなっています。これは移動平均線と直前の持ち合い水準に重なっています。価格がこのゾーンを下回っている限り、弱気バイアスは維持されるとみられます。一方、下値では 4,600ドルが重要なサポートであり、この水準を下抜ければ 4,450〜4,400ドル方向への下落が加速する可能性があります。
金(ゴールド)日足チャート

| レジスタンスライン | $4,780 – $4,800 | $4,875 – $4,900 | $5,000 – $5,020 |
| サポートライン | $4,500 – $4,520 | $4,400 – $4,420 | $4,270 – $4,300 |
ダウ・ジョーンズ テクニカル分析
ダウ平均は現在 46,200付近で推移しており、市場は下方向のモメンタムを伴う弱気構造へ移行しています。
価格は高値・安値ともに切り下げており、売り手が主導権を握っていることが確認されています。直近では 45,700〜46,000のサポートゾーンから反発が見られましたが、戻りは弱く、すでに上値の重さが意識されています。
移動平均線もこの弱気トレンドを示しています。MA5とMA10はMA20を下回り、すべての移動平均線が下向きとなっています。価格も MA30を下回って推移しており、これは単なる短期調整ではなく、より大きなトレンド転換を示唆しています。
テクニカル面では、46,800〜47,500が主要なレジスタンスゾーンとなっています。一方、下値では 45,700が重要なサポートであり、この水準を下抜けた場合は 44,500付近まで下落余地が広がる可能性があります。
ダウ・ジョーンズ 日足チャート

| レジスタンスライン | 47,000 – 47,100 | 47,400 – 47,426 | 47,730 – 47,800 |
| サポートライン | 45,700 – 45,720 | 45,236 – 45,260 | 45,000 – 45,060 |
EUR/USD テクニカル分析
EUR/USDは現在 1.1576付近で推移しており、1.2000台を維持できなかった後、明確な弱気トレンドが継続しています。1.2080からの反落が強い下落局面の起点となりました。
相場構造は明確に弱気で、高値・安値ともに切り下げています。直近では 1.1400付近のサポートから反発が見られましたが、この戻りは弱く調整的であり、全体のトレンドは依然として下方向とみられます。
移動平均線もこの見方を支持しています。MA5およびMA10はMA20を下回り、価格も MA30の下で推移しています。すべての移動平均線が下向きであることからも、トレンド継続が示唆されています。
主要な価格帯としては、1.1650〜1.1700が直近のレジスタンスゾーン、1.1400が重要なサポートとなっています。この水準を下抜けた場合は、1.1250方向への下落が加速する可能性があります。
EUR/USD 日足チャート

| レジスタンスライン | 1.1667 – 1.1680 | 1.1742 – 1.1755 | 1.1832 – 1.1850 |
| サポートライン | 1.1445 – 1.1460 | 1.1380 – 1.1400 | 1.1286 – 1.1300 |
リスク警告
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